絵描きが、自分の絵を飾ること

『たのしいひなまつり』

今年のひなまつり。

私は、自分のために描いた絵を初めて飾りました。

悩み続けてきた自分の絵について、ようやく納得できる瞬間があったのです。

おかげで、落ち着いて描くこと…さらには見ることができるようになりました。


何に悩んでいたのか…と、解決した今になって考えると『自分が描きたいもの』でした。
人によっては、『分類』とか『テーマ』とか『カテゴリー』と呼ぶかもしれない。

絵描きは描きたいものが色々あって、テーマごとにタッチや気持ちを使い分けているはずなんです。

それが自分にはよく分からなかったので、テーマとタッチがゴチャゴチャになってしまっていました。
(他人からすれば私一人が描いてるんだからどうでもいいことなんですけれど、本人にしてみればとっても重大なことなのです…たぶん。。)


私が描いているものは、大きく分けて『保育・絵本系の子供達や動物達が楽しく遊んでいる絵』『看護・実務系の絵』・『着ぐるみの子どもがわちゃわちゃしている絵』『内臓に顔がついてる絵』『寂しそうな雰囲気の耽美的な絵』。

前2つは主に仕事で使う絵、後3つは『えほんのこども』『ナースのたましいちゃんと小さい内臓ちゃん達』『emptia』というオリジナルのキャラクター名ではっきり分けることにしました。

webページ上でもそう分けたので、自分が描いた絵をどこへアップすればいいか悩まずに済むように。
頭の中がスッキリしました。

たったこれだけのことができなかっただけで、私は自分の絵を落ち着いて見ることができなくて、目の届くところに飾ることができませんでした。


多くの絵描きの頭の中って、いろんな色の糸がぐちゃぐちゃに混線しているんじゃないかな。

そのままでも平気な人もいれば、何が描きたいのか分からなくて落ち着かない人もいます。

SNSで「自分が何を描きたいのか分からない…」という方を散見するのも、当たり前なのかも。

人にアピールする時に『私が描きたいものは〇〇です』と、はっきり宣言できないから苦しい。

描こうと思えば何でも描ける。
仕事で『描いて』っていわれたものは何でも描く。
有名美大も出ていてパースも構図も完璧でめちゃくちゃ絵が上手い。
……という人ほど、根底でここに悩んでいる人が多くみられる気がします。


自分が描きたいものをきちんと理解できている人にはよくわからないかもしれません。

それでも、私たちは自分の絵を愛しているから適当に放って置けない。
絵で食べていきたいから、自分の絵を他の人にも分かってもらいたい。
きちんと理解したいって悩んでいる。

自分が何を描きたいのか分かってるっていうことは、絵描きにとってすごく強い。

私はようやく自分の絵を飾ることができて、とても嬉しいです。

同じように悩んでいる絵描きさんへの、小さなヒントになれば嬉しいと思います。

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